2009年08月29日

遺伝子1個だけでiPS細胞、独チーム作製

様々な細胞に変化する人の新型万能細胞(iPS細胞)を1個の遺伝子を導入するだけで作ることに、独マックスプランク分子医薬研究所などのチームが成功した。

 使う遺伝子が少ないほど、がん化の危険性を減らせるため、安全な再生医療につながると期待される。英科学誌ネイチャーに29日発表する。

 研究チームは、材料に中絶胎児の神経幹細胞を選択。この細胞に、京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の作製に使った4個の遺伝子のうち、がん化の恐れの少ない遺伝子1個を導入した。その結果、10〜11週間後にiPS細胞ができ、筋肉や神経の細胞に変化することが確認できた。

 国立成育医療センターの阿久津英憲室長は「細胞の種類によって、iPS細胞の作りやすさが違うことが分かった。安全性の高い再生医療への応用に近づく」と話している。
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2009年08月18日

「自分磨き」で口腔ケアを−歯の健康シンポ

歯の健康シンポジウムは、同会が厚生労働省と「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」とのスローガンの下に行っている取り組みの一環で、全身の健康と歯・口の関係に着目したテーマで1997年から開催している。
同会の大久保満男会長は冒頭のあいさつで、虫歯や歯周病の予防に取り組むことは、あくまで口の機能がきちんと果たされるための「手段」であり、食事や会話といった口の機能によって充実した人生を送ることが望ましいと述べた。その上で、口の健康が全身の健康や生きる活力につながるとし、口腔ケアの重要性を訴えた。
「美しさと活力を歯周病予防から」と題して基調講演を行った明海大の安井利一学長は、噛むことや噛み合わせは、日常の体の動作や運動機能、健康状態、記憶や美しさにも影響を与えるとした上で、「噛めるということに対して一番の問題は歯周病」「最近は歯周病で歯を失う方が多くなってきている」と指摘。歯周病が全身に及ぼす影響について、老人性肺炎や糖尿病などとの関連性を説明した。
歯周病予防について、「家庭でできることと歯科医院でやってもらうことの2つのケアがある」とし、具体的には、「歯と歯茎の境目をきれいにする歯磨き」を家庭で行うことや、症状がないうちに定期的に歯科健康診断を受けること、かかりつけの歯科医を持つことなどを挙げ、口腔ケアを呼び掛けた。
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歯科

東京都が8月10日に公表したアンケート調査の結果で、9割超の人が歯の健康に「関心がある」ことが分かった。
東京都では、「高い関心度が歯の健康づくりの取り組みにつながってほしい」としている。都は「8020(ハチマル・ニイマル)」運動の一環として、歯の健康づくりを推進している。アンケートは、その達成状況を把握し、今後の都の「歯科保健目標」について検討するため、6月26日から7月2日にかけて、都政モニター500人を対象にインターネット上で実施。494人から回答を得た。
それによると、「歯の健康に関心を持っているか」という質問に対し、「関心がある」と回答したのは72.5%、「どちらかというと関心がある」は24.3%で、全体の96.8%が「関心がある」と回答した。「関心がない」は0.4%だった。
虫歯や歯周病予防の取り組みについて(複数回答)、虫歯予防で最も多かったのは「歯科医院で定期健診を受ける」で43.3%。以下は、「1日1回は十分に時間(10分程度)をかけて歯を磨く」38.7%、「フッ素(フッ化物)入りの歯磨き剤を使用する」31.4%などだった。
 歯周病予防では、「フロスや歯間ブラシを使用する」43.9%、「歯科医院で定期健診を受ける」38.9%、「歯科医院で定期的に歯石除去や歯のクリーニングを受ける」32.8%などの順だった。
また、「歯周病と全身の健康について知っていること」で最多だったのは(複数回答)、「喫煙は歯周病にかかりやすくし、歯周病を悪化させる」で43.1%。これに「糖尿病だと歯周病にもかかりやすい」32.8%、「歯周病菌が動脈硬化を促進することがある」20.6%などが続いた。「知らない」も36.4%あった。
歯や入れ歯、舌などを清潔にする口腔ケアが誤嚥性肺炎を予防することを知っていたかどうかでは、「知っていた」35.8%、「知らなかった」64.2%だった。
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歯科診療所、医科よりもサービス競争激化

病院検索サイトを運営する「QLife(キューライフ)」(本社=東京都世田谷区)は8月17日、患者満足度調査「患者さんの声収集代行キャンペーン」の結果を明らかにした。歯科診療所が獲得した「評価スコア」が医科診療所よりも約22%高く、同社では「歯科診療所はドクターが率先して高い接客サービス意識を持たないと、ライバル医院の水準に勝てないようなし烈な競争状況にある」と分析している。
結果は昨年9月-今年6月に3回実施した1か月間の調査をまとめたもの。全国の410診療所(医科187、歯科223)を対象にし、延べ9325人の患者から回答があった。
 患者は、▽スタッフ応対面▽ドクター応対面▽時間関連面▽施設設備面―の4項目を、「最高」「大いに満足」「やや満足」「やや不満」「大いに不満」の5段階で評価。それぞれを30、20、10、-10、-20の評価スコアに換算した。また、自由記述で診療所に対するコメントも求めた。
調査結果によると、歯科の評価スコアは平均18.7で、医科の15.3に比べて22%高い水準だった。
 医科で評価が最も高いのは「ドクター応対面」の17.6で、これ以降は「スタッフ応対面」16.9、「施設設備面」14.6、「時間関連面」12.0の順だった。歯科でも「ドクター応対面」が20.6で最も高く、「スタッフ応対面」19.1、「施設設備面」17.9、「時間関連面」16.9と続いた。
「時間関連面」で、歯科の評価スコアが医科を41%上回った点についてキューライフでは、「歯科の方が患者あたりの時間管理がしやすく、また予約制導入も広がっていることの表れだろう」と指摘している。
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歯磨き粉“味”いろいろ 香料加えて商品の魅力アピール

 香料にこだわった歯磨き粉が増えてきた。大半は清涼感を演出するミントが使われるが、メーカーは効果が短時間で出にくい機能に比べ、違いが分かりやすい香料をさらに加えることで商品の魅力をアピール。香料の多様化で、毎日の歯磨きも食事と同様、さまざまな“味”を楽しめるかも?

◆コーラにカレーも
渋谷ロフト(東京都渋谷区)2階の健康雑貨売り場には、竹塩やゆず、炭、ナスの黒焼きの成分を配合したものなど約100種類の歯磨き粉が並ぶ。価格は200円台から3600円。
中でも目立つのが、マーガレット・ジョセフィン(大阪市中央区)の「ブレスパレット」。計31種類の香りがあり、1〜31番の番号が付いている(0番は舌磨きジェル)。平成14年の発売以来のロングセラーで、誕生日や携帯電話の番号をそろえるギフト需要が多いという。
「ユニークな味であれば日用品のハミガキがギフトとして喜ばれる」と話す。マーガレット・ジョセフィンによると、人気ベスト5は(1)コーラ(2)印度カリー(3)ビターチョコ(4)ローズ(5)グレープフルーツ−という。
昼間のブラッシング需要を高めようと、香料に着目したのが花王(東京都中央区)。来月12日には、日中の気分転換を目的とした2種類の「クリアクリーン チェンジ」を発売する。

昨年12月、首都圏の女性643人に聞いたところ、歯や口の悩みがない人は、平成8年は30・7%だったのが昨年は11・3と激減。一方、昼食後の歯磨きは10年の31%から昨年は40%に増加した。学校や職場で歯磨きをする人が倍に増えたことを受け、「昼ハミガキ」を提案。仕事や家事の前に気分を切り替えたり、眠気を覚ましたりするのに適したメントールを従来品より多めに配合した。

ジュニア向けと大人向けで香りを統一しているのが、ライオン(墨田区)の「クリニカ」。ジュニアの「グレープ」に対応するのが大人用の「クールミント」、子供用の「ピーチ」は大人用の「マイルドミント」。「クールミント」にはマスカット、「マイルドミント」にはピーチの香料が、それぞれ“隠し味”で使われている。
小学生後半から中学生にかけて大人用に切りかえる際、長年親しんだ香りを継続して使ってもらえるよう考慮した。研究開発本部は「親子で『この味は手放せない』と感じて長く使ってもらえれば」と話す。
サンスター(大阪府高槻市)は女性をターゲットに2年前から、「オーラツー」にかんきつ系やフローラル系の香りを投入。人気モデルの口腔(こうくう)ケアをウェブサイトで紹介するなど美容の一つとして歯磨きを打ち出し、香料の研究に余念がない。
香料研究グループの丸山隆司グループ長は「食生活が飽食になると同時に個食が定着し、歯磨き粉も“グルメ”を求める人が増えた。今後も香料の多様化は続く」と推測する。
 サンスターによると、歯磨き粉やマウスウオッシュ、液体歯磨きなどのオーラルケア市場は全体で1726億円(平成20年)。このうち、歯磨き粉は約670億円で、ここ15年間は横ばい傾向である一方、液体製剤は4年の65億円から昨年は192億円と増えている。
ところで、歯の博物館(名古屋市)によると、江戸時代の歯磨き粉は、器具の研磨に用いられる磨き砂房州砂(ぼうしゅうずな)にハッカ、ジャコウ、乳香などの香料を混ぜて作られていた。名称には「梅香散(ばいこうさん)」「嗽石香(そうせきこう)」「君ケ香(きみがこう)」など「香」や「散」の文字が使われ、100種類に及んだという。
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2009年08月06日

山口七夕ちょうちん祭り

ジャンル 祭
開催地 山口市 中心商店街、亀山公園ふれあい広場、パークロード、他
ホームページ(外部サイト)

開催期間 2009年8月6日〜7日

※イベントの中止や開催期間の変更に関しては、「問い合わせ先」欄に掲載の連絡先までご確認ください。

開催時間 19:30〜21:30 (6日〜7日中心商店街の紅ちょうちん飾り、6日すだれちょうちん、7日御輿・ちょうちんツリー)

主催者 山口市ふるさとまつり実行委員会

問い合わせ先 山口市ふるさとまつり実行委員会 083-932-3456

概要 中心商店街や駅通りには、約数万個の紅提灯が飾られ、提灯のトンネルをつくります。約600年前の室町時代、大内氏が先祖の霊を慰めるため、笹に高灯篭を灯したのが始まりといわれています。真っ赤な提灯がまるで火の川のように夜闇に連なる中、ろうそくが燃え尽きるまでの約2時間、光の帯で包まれた幻想的な光景を生み出します。また、ちょうちんみこしや踊りなど多彩なイベントが催されます。
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金魚ちょうちん祭り

ジャンル 花火

開催地  山口県柳井市 JR柳井駅前〜麗都路通り〜白壁の町並み一帯

開催期間 2009年8月13日
※イベントの中止や開催期間の変更に関しては、「問い合わせ先」欄に掲載の連絡先までご確認ください。

開催時間 花火/21:00〜21:15、祭り/16:30〜21:15 ※いずれも雨天中止

主催者 金魚ちょうちん祭り協議会

問い合わせ先 柳井市商工観光課 0820-22-2111

概要 柳井の代表的な民芸品である「金魚ちょうちん」がモチーフになったお祭り。祭りの前後1週間、JR柳井駅から白壁の町並みにかけて金魚ちょうちんが飾り付けられ、夜になると幻想的な光景を生み出します。当日は、趣向を凝らした「金魚ねぶた」が通りを彩るほか、「白壁江戸祭り」などが行われます。また、フィナーレの合図として花火が打ち上げられます。
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第41回日本動脈硬化学会総会・学術集会 高齢者へのスタチン療法にエビデンス

第41回日本動脈硬化学会総会・学術集会 高齢者へのスタチン療法にエビデンス 心腎連関にCKD新説、早期から動脈硬化抑制を 山口県下関市で7月17・18の両日、第41回日本動脈硬化学会総会・学術集会(松崎益徳会長)が開催され、スタチンの長期コホート「LEM」研究をはじめ、動脈硬化診療の最新知見が報告された。慢性腎臓病(CKD)と脳血管疾患との関連、学童期・思春期のメタボリックシンドロームの管理などのシンポジウムでは活発な討論が繰り広げられた。 17日のシンポジウム「慢性腎臓病(CKD)と脳血管疾患」では、CKDが心血管疾患リスクとなる背景について討論が行われた。 シドニー大学ジョージ国際保健研究所の二宮利治氏は、JALS-ECC研究の結果を交えながら、CKDと高血圧が心血管疾患に及ぼす影響について解説した。 同研究は、40〜89歳の日本人約3万人を対象とした前向きコホート研究で、約7.4年間の観察結果がまとめられている。心血管疾患の発症率と推定糸球体濾過量(eGFR)との関連を調べた結果、eGFR90mL/分/1.73u以上の人に比べて、同60〜89の人、同60未満の人は有意に発症率が上昇していた。性別にみると、心血管疾患発症率は男性の方が女性よりも約2倍高かった。 相対危険度を検証した結果、CKD(eGFR60未満)が認められた人は正常者(同90以上)に比べて、心血管疾患リスクは1.57倍、脳卒中リスクは1.41倍、心筋梗塞リスクは2.37倍だった。また、観察開始時の血圧値と心血管リスクについては、CKDの有無にかかわらず相関が認められた。 さらに二宮氏は、日本を含め10カ国172施設が参加したPROGRESS試験について解説した。同試験は、脳血管疾患の既往を持つ約6100人を対象に、積極的治療群(ACE阻害薬ペリンドプリル+利尿薬インダパミド)とプラセボ群に分けて3.9年間の脳卒中再発率を検証したランダム化比較試験。 試験では、@腎機能の低下は脳卒中の再発リスクとなるA降圧療法はCKDの有無に関係なく脳卒中の再発予防に有効となるB血圧と脳卒中発症リスクとの間には相関がある−などが明らかになった。 滋賀医大・荒木氏 抗血小板療法は「古くて新しい」 滋賀医科大の荒木信一氏は、糖尿病患者での心腎連関について解説し、「抗血小板療法は、古くて新しい治療になる」と強調した。 糖尿病性腎症は不可逆的に進行すると考えられてきたが、近年の研究で治療によって寛解する場合もあることが知られている。荒木氏らが日本人2型糖尿病患者216人の尿中アルブミン量を6年間観察した結果、顕性タンパク尿に進行した患者28%に対し、「寛解(正常化)」した患者は51%、「改善(50%以上減少)」した患者は54%だった。 寛解・改善を決定する因子は、@微量アルブミン尿が短期間ARAS系阻害薬による治療B良好な血糖コントロール(HbA1c<6.95%)C収縮期血圧が低い(<129mmHg)−だった。 荒木氏らは、糖尿病性腎症における異常で微小な血小板凝集SMAPに注目し、アスピリンがSMAPの形成抑制に有効であることを示している。ただ、「抗血小板療法は十分に行われていない。多くの因子を治療し、アルブミン尿を改善することが重要」とした。 CKDに新概念 インスリン抵抗性症候群など 慶応大の伊藤裕氏は、CKDに関する新たな疾患概念として提唱する「腎性インスリン抵抗性症候群」について解説した。 CKD患者にインスリン抵抗性が発現するメカニズムを、血中アルドステロン濃度との関係で説明する考え方となる。伊藤氏は、「血中アルドステロン濃度は、GFRの強い規定因子であり、インスリン抵抗指数HOMA-Rもアルドステロン濃度によって規定される可能性がある」とした。 動物実験ではアルドステロン阻害薬の投与により、肥満の改善や脂肪組織におけるマクロファージの浸潤抑制が認められており、低分子量Gタンパクの関与が注目されるという。 また、CKDには「腎性インスリン抵抗性症候群」の外に、NOS阻害物質であるADMAが関与するものがあり、軽度なCKDであっても、心血管イベントを引き起こすことがあるのではないかとの考えを示した。 川崎医科大の佐藤稔氏も、CKDの病態を2つに分類する考えを示した。尿細管・糸球体障害によってGFR低下を来す従来型の進展メカニズムを持つCKDに対し、内皮機能障害に基づいて心血管イベントを誘因する新たなCKD概念「ECD腎症」があるという考え方だ。 尿細管・糸球体障害によるCKDには、IgA腎症や膜性腎炎、ループス腎炎などの慢性腎炎が当てはまる。免疫学的基盤によって発症し、予後にはGFRの低下が影響を及ぼす。 一方、ECD腎症は、近年増加している糖尿病腎症や腎性高血圧が該当する。GFRの低下よりも心血管合併症が予後を左右する。肥満や糖尿病、高血圧などを基盤に糸球体の過剰濾過が起こり、糸球体高血圧となる。ECD腎症では、内皮機能が障害されることに伴い、微量アルブミン尿・顕性タンパク尿と進展し、腎機能を低下させるが、アルブミン尿が検出される前から心血管リスクとなるため、早期の予防が重要となる。 関連物質として多糖類のglycocalyxが注目されており、佐藤氏はglycocalyxの低下を抑えることで動脈硬化を予防し、進展を抑制することができるのではないかとの考えを示した。 大阪市立大大学院の小山英則氏は、CKD患者における脳梗塞について糖化タンパクAGE受容体であるRAGEとの関連を解説した。 明日へのシンポジウム 〜生活習慣部会からのメッセージ〜 生活習慣10項目提言で行動変容促す「わが国における生活習慣と心血管病の変遷」 学会初日、明日へのシンポジウム「わが国における生活習慣と心血管病の変遷:将来への提言」が行われた。同学会では昨年から、新たな取り組みとして、毎年、2つの部会がシンポジウムを開催している。今大会は生活習慣部会と病理部会が担当。生活習慣部会は、これまでのエビデンスを基にまとめた「心血管病予防のための生活習慣10項目」(表)を打ち出し、行動変容を促すための目安として推奨した。 食事評価スタディーが必要 座長の佐々木淳氏(国際医療福祉大大学院創薬育薬医療分野)は冒頭、大会前日の16日に厚生労働省が発表した「2008年簡易生命表」を引き合いに出し、昨年から今年にかけて日本人の平均寿命がさらに延びたことや、特に女性では最長寿国世界一を続けていること、その一因として生活習慣の改善が考えられていることを紹介した。 一方で、わが国においても過食や食生活の欧米化、日常身体活動量の低下など、生活様式が大きく変化し、生活習慣病が増加していることも指摘。今後もこうした状況が続けば、動脈硬化性疾患が増え、日本人の平均寿命にも悪影響を及ぼす可能性があると懸念した。 日本人の粥状動脈硬化に危機感 大阪大大学院医学系研究科公衆衛生学の磯博康氏は、日本人における脳卒中の特徴について解説。脳卒中の最大の原因は高血圧であり、全国的に日本人の血圧が低下しているため、脳卒中発生率が大きく減少(ただし男性はいまだに米国の2倍)していることや、今後は軽症高血圧とその予防が重要になることなどを指摘した。 また、日本人における心筋梗塞の特徴についても言及。虚血性心疾患による死亡率は米英の4分の1程度といまだに低いものの、大都市の勤務者や住民男性では発症率が増加しているというデータを紹介した。 その上で磯氏は、さまざまな日本人データを整理しつつ、学会としてまとめた「心血管病予防のための生活習慣」10項目を紹介。生活習慣の意識改革が進み、血清総コレステロール値が年々低下している米国に比べて、日本では悪化しており、その差がほとんどなくなっていることを指摘、「今後は日本人でも粥状動脈硬化が増えてくる」と見通した。 東京慈恵会医科大付属柏病院内科総合診療部の多田紀夫氏は、膨大な疫学データを基に、日本人の食生活と生活習慣病との関係について言及、今後の食事療法の在り方について提言した。 多田氏は、沖縄県民の生活習慣の変遷と疾病構造の変化が、今後の日本人の物差しになるとの考えを示した。かつての沖縄県は、全都道府県の中でも最長寿を誇っていたが、全国でいち早く欧米生活様式の影響を受け、2000年には県民の平均寿命が26位に下落した“沖縄26ショック”を紹介した。近年、沖縄県民の脂肪摂取量や肥満度は全国平均を上回り、冠動脈疾患による死亡が増えているという。 一方、米国では1977年の「マクガバン報告」によって、食生活を改め、脂肪や糖、塩分の摂取量を減らすべきなどとする改善指標が示され、着実に効果が現れている。マクガバン報告では、理想的な食事を「元禄時代以前の日本の食生活」としている。 元禄以前の食事を再現するため、日本人学者が1万2000句以上の川柳に登場する食物を調査したところ、「精白していない穀類(五穀)を主食とし、季節の(旬の)野菜や海草、近海の小魚」という結果になったという。 多田氏は今後の重要課題として、食事量の減量や、子供の食生活の見直し、加工食品の表示問題などを列挙。また、「現在はどのような食事が望ましいのかを評価できない。食事内容を評価する試験が必要だ」と強調した。生活指導に関する保険点数がほとんど付かないことも問題視し、診療報酬見直しの必要性も指摘した。 運動でHDL−C上昇、TG低下を 昭和大医学部の木庭新治氏は、日本人の運動習慣について講演。98年以降、日本人の1日当たりの平均歩行数が減少傾向にあり、特に若年者ではその傾向が顕著であることや、50歳以下の年齢層では運動習慣のある人が非常に少ないことなどを問題視。1日当たりの歩行数の増加が、HDL−Cの上昇や、トリグリセライドの低下と有意に相関すると述べた。1日6000歩以上歩くと、有意にトリグリセライドが下がる。運動と総コレステロールは相関しない。 コホート研究によると、身体活動量の増加は心血管疾患による死亡率を低減させる。ただし、わが国においては運動習慣を中心としたランダム化介入試験が非常に少なく、今度の課題となっている。木庭氏は、運動習慣によってHDL−Cを上昇させることが重要になるとした。 このほか、福岡大スポーツ科学部の田中宏暁氏は、中等度の有酸素運動を毎日30分行うことが大切だと強調。また、天候や気候に左右されず、家屋の中で体力を高める「ベンチステップ運動」を従来の運動に加えて実施すべきと推奨した。
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出生率

豊かさ進めば出生率回復 日本には法則当てはまらず

先進国の多くは、国民生活の豊かさを示す指数が一定以上になると出生率が低下から上昇に転じたのに、日本や韓国にはこの"法則"が当てはまらなかった-。そんな研究結果を米ペンシルベニア大などのチームがまとめ、英科学誌ネイチャーに6日発表した。
チームは、女性の社会進出や家族の形態などの違いが影響した可能性を指摘し「文化や制度、政治風土と、出生率との関連を調査する必要がある」としている。
分析対象は世界でも豊かとされる24カ国。1975-2005年について、平均寿命や1人当たりの国内総生産(GDP)などから割り出される豊かさの指標「人間開発指数」と、1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)との関係を調べた。
各国とも人間開発指数の上昇に伴い出生率がいったんは低下し、少子化が顕著に。しかし、大半の国は指数が「平均寿命75歳」「1人当たりのGDP2万5千米ドル」などの目安となる「0・9」になる手前で出生率が底を打ち、以後は上昇に転じた。
底を打った年(基準年)と05年の出生率を比較すると、デンマークでは0・42、米国0・31、ノルウェー0・18の上昇。横ばいに近いアイルランドでも0・02上がっていた。
一方で日本、韓国、カナダの3カ国だけは明らかに下落傾向が継続。日本では人間開発指数が0・9を超える直前の1988年から05年までに、出生率はさらに0・40低下した。

人間開発指数
人間開発指数 経済的な尺度だけでは測れない国民生活の豊かさを示す値として、国連開発計画(UNDP)が「人間開発報告書」の中で発表。データ収集が可能な国と地域を対象に、平均寿命や就学率、成人識字率、1人当たり国内総生産(GDP)などから割り出す。2007年の発表では、日本の順位は8位。1位はアイスランドで、米国は12位。最下位はシエラレオネだった。
ラベル:出生率
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2009年08月04日

そしゃく可能な歯を再生

歯のもととなる細胞を歯が抜けた場所に移植するマウスの実験で、正常に機能する歯を再生させることに世界で初めて成功したと、東京理科大が米科学アカデミー紀要(電子版)に4日付で発表した。東北大、東京医科歯科大との共同研究。
再生した歯は、ものをそしゃくするのに十分な硬さがあるほか、神経がつながっており、刺激を与えると脳に痛みが伝わった。
幹細胞から人為的に器官や臓器をつくる再生医療が注目されるものの、そうしてつくった器官や臓器が実際に機能するかどうかは分かっていなかったが、十分に機能する可能性を示すものだとしている。
マウスの胎児にあり、歯のもととなる「歯胚(しはい)」から、さまざまな器官のもととなる上皮細胞と間葉細胞を取りだし、2種類の細胞を再び集めて「再生歯胚」を作製。大人のマウスの上あごから臼歯を抜き、そこに再生歯胚を移植した。すると約50日後には、歯は通常に近い大きさまで伸びた。
この歯は硬く、内部には正常の歯と同様に神経線維があった。
外部から刺激を与えると、痛みを感じた際に脳でできるタンパク質がこのマウスの脳でできていることを確認し、歯から脳に痛みの刺激が伝わっていることが判明した。
「原理は同じで、歯だけでなく、ほかの臓器に応用も可能と考えられる」と話している。
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大阪府歯科医師会

レセプトオンライン義務化に反対 大阪府歯科医師会

◇病歴漏えいの危険
厚生労働省は医療機関の診療報酬明細書(レセプト)を2011年度からコンピューターを使ったオンライン請求に切り替えることを義務付ける方針だ。これに対し、日本歯科医師会、日本医師会などは「患者の個人情報流出につながる。経営基盤の弱い医療機関は立ちゆかなくなり、地域の医療崩壊が進む」と反発する。全国に先駆けて義務化撤廃運動を始めた大阪府歯科医師会に、レセプトオンライン義務化の問題点を聞いた。

 ◇民意反映せずに進む既成事実化
大阪府歯科医師会では、レセプトのオンライン請求義務化反対を重点課題としています。
◆レセプトのオンライン請求義務化の問題では、大阪府歯科医師会が「容認できない」と全国に先駆けて声を上げました。もともと義務化を定めたのは、厚労省の省令で法律ではありません。立法府である国会で決められたわけでもないのに、民意が反映されていると言えるでしょうか。多くの問題をはらむオンライン化が既成事実化しています。日本歯科医師会だけでなく、日本医師会、日本薬剤師会の「三師会」で共通課題として取り組んでいます。

 ----どのような点で問題があるのでしょうか。事務の効率化が図れるのではないでしょうか。
◆医療機関の都合だけで反対しているわけではありません。患者さんの個人情報が間違いなく漏えいします。レセプトには傷病名、治療内容などが記載されます。紙なら一定の場所で一定期間たてば廃棄します。しかし、オンライン化されれば、電子データのやり取りが簡単になり、複数の場所で永久に情報が残ります。

 ----病歴が漏えいする懸念があるわけですね。
◆そうです。自分自身がどのような病気にかかったかを周囲の人に知られたら、どう思いますか。保険会社にとっては魅力的なデータですけど。また、日本には精神や行動に障害を持っておられる方が264万7000人、HIV(エイズウイルス)感染者は約1万人おられます。このような人権にかかわるデータの漏えいは絶対に避けなければなりません。

 ◇閉鎖を迫られる小さな医療機関

 ----医療機関の経営に影響があるのでしょうか。
◆オンライン請求が可能な医療機関もありますし、医療のIT(情報技術)化に反対の立場ではありません。ただ、専用のコンピューターを導入するための設備投資が重く、小規模な医院、診療所は閉鎖を余儀なくされます。過疎地を中心に地域の医療崩壊が進むでしょう。百歩譲って、希望する医療機関だけに限定する「手挙げ方式」としていただきたい。強制的な完全義務化は絶対反対です。国民医療費削減の効果があるといわれますが、今の医療崩壊は行き過ぎた医療費抑制の結果ではないでしょうか。
posted by 8020 at 09:00| 医科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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