2009年04月18日

抜歯

休薬に伴う血栓塞栓症再発;頻度は低いが症状は重篤


表1
矢坂 よく知られているように脳梗塞はラクナ梗塞,アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症の主要 3 病型に分けられます。ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞ではアスピリンなどの抗血小板薬,心原性脳塞栓症ではワルファリンの再発予防効果が確立しており,各種ガイドラインで推奨されています。ところが,こうした抗血栓療法施行中に観血的治療を行う場合,出血性合併症をおそれ休薬する例が少なくありません。これは本当に必要なのでしょうか。
 本シリーズでは,抗血栓療法中断のリスクとベネフィットを問い,各科の観血的手技に即して休薬の必要性や再開のタイミングといった問題を考えていきたいと思います。第 1 回は,抜歯や歯周手術時の休薬をテーマに討論していきます。
 抜歯時のワルファリン休薬は,血栓塞栓症のリスクを増加させると指摘されています。米国のWahlの文献調査では,ワルファリンを中止した493例・542回の抜歯のうち,5 例(約 1 %)で血栓塞栓症が起こり,うち 4 例(80%)が死亡したとのことです。国立循環器病センターでの検討ですが,抗凝固療法例で脳梗塞を発症した23例中,抗凝固薬を意図的に中止していた例が 8 例(うち 4 例は抜歯による)ありました。中止例は退院時要介護(mRS:3 以上)が71%と,非中止例の21%に比べ予後が著明に悪くなっていました(表 1)。
 抗血小板薬については,Maulazらがアスピリン療法中に脳梗塞/TIAを発症した群と非発症群を比較し,休薬例の割合は発症群4.2%,非発症群1.3%で,休薬の脳梗塞発症へのオッズ比は3.4と報告しています。
 このように,ワルファリンとアスピリンのいずれにおいても,抜歯時の休薬によって起こる血栓塞栓症の頻度は1〜4.2%程度と高くはないのですが,発症例は重篤な場合が少なくありません。抗血栓薬服用患者は数百万人に上りますから,1 %でもかなりの発症数になります。こうした点から,日本循環器学会の抗凝固・抗血小板療法ガイドラインでは「抜歯時には抗血栓薬の継続が望ましい」と明記されています。

日本の現状;ワルファリンも抗血小板薬も休薬例が半数超
矢坂 では,日本の現状はどうなのか。矢郷先生は,抗血栓療法時の抜歯について調査をされましたね。



図1
矢郷 抗血栓療法患者の抜歯がどう認識されているのか,医師116人と歯科医師102人を対象に調査を行いました。医師での調査では,抜歯時にワルファリンを中止・減量する医師が70%,抗血小板薬を中止する医師は86%に上りました(図 1)。その理由は,「歯科医師が出血で困ると思う」が最も多く,次が「歯科医師の指示で」でした。半面,医師の10%が抜歯のためワルファリンを中止した結果,脳梗塞などを起こした例を経験していました。そして,61%の医師は,ワルファリン継続下で抜歯する歯科医師がいることを知らないと答えました。ほとんどの医師は,歯科医師がワルファリン継続下で抜歯可能と判断すればその指示に従うということですので,歯科の側からのアピールが求められていると言えます。
 歯科医における調査では,医師から抗血栓療法を理由に抜歯を禁止された患者に遭遇したことがある人が66%に見られました。これは,休薬なしで抜歯が可能との認識が,医師側でも弱いことを示しています。また,休薬の判断を医師に一任する歯科医師が多く見られました。
 また,ワルファリンの至適治療域について尋ねたところ,INR:1.6〜2.5とした医師が大半ですが,抜歯時の望ましいINR値に関しては1.5以下と回答した医師が79%を占めました。すなわち,かなりの医師がINR:1.6以上では抜歯時の止血が困難と考えているわけです。一方,歯科医師でINRを知っていると回答したのは23%に過ぎず,医師との連携に支障を来すと思われました。



図2
矢坂 私たちも同様の調査を行いました。対象はJ-MUSIC*参加施設の医師(主に脳卒中専門医),国立病院機構の医師と歯科医師です。抗凝固療法の継続率は,J-MUSIC医師58%,国立病院機構医師35%,同歯科医師53%。抗血小板療法の継続率は,それぞれ69%,38%,60%でした(図 2)。医師も歯科医師も,抗血栓薬継続下の抜歯に対する認識はまだ低く,脳卒中専門医でも十分でない,という結果だと言えるでしょう。

*脳梗塞急性期医療の実態に関する研究

欧米の認識;抗血栓療法は大多数の例では中止してはならない
矢坂 次に,抗血栓療法継続下の抜歯は本当に可能なのか,その根拠についてうかがいます。



表2
森本 最近,この問題に関係する 2 つの論文が発表されました。1 つは, Perryらが Br Dent J に発表したもので,抗凝固薬服用患者が抜歯などの処置を受けるときの管理ガイドラインです。INR:2〜 4 の治療域にあれば重篤な出血のリスクは非常に小さく,逆に休薬により血栓症リスクが増大することを踏まえ,「外来の歯科外科処置を行う大多数の患者では抗凝固薬を中止してはならない」と述べています。また,INRが治療域で安定している患者では,感染性心内膜炎の予防のため抗菌薬を 1回投与しても,抗凝固薬を調整する必要はないとのことです。出血リスクを小さくする方法としては,酸化セルロースまたはゼラチンスポンジ+縫合の併用,5 %トラネキサム酸による洗口を推奨しています。
 もう 1 つはAframianらによるメタ解析で,内容はよく似ています。ワルファリン服用例でINRが治療域にあれば,1 本の単純抜歯では休薬してはならないこと,トラネキサム酸溶液による洗口などが有効であること,歯科処置のために低用量アスピリン(100mg/日以下)を中止すべきではないことが,いずれもハイレベルのエビデンスとして示されています(表 2)。これらの文献から,欧米での休薬問題の最新の考え方がうかがえます。抗血栓療法継続下の抜歯が可能かというより,抜歯に際しては基本的に休薬してはならない,というのが主流になっているのです。

抜歯時の止血;ワルファリン,抗血小板薬服用中も難しくない
矢坂 とても明快ですね。では,日本での成績はどうなのでしょうか。



表3
矢郷 現在,私たちは慶應病院においてワルファリン,抗血小板薬とも継続下で抜歯を行っています。ワルファリン単独58例,抗血小板薬単独27例,両者併用23例で抜歯を行ったところ,後出血を見たのはワルファリン服用の 2例のみ,止血シーネで容易に止血できました。ワルファリンの治療域は日本人では1.6〜2.8に設定されています。この範囲では確実な止血処置を行えば,抜歯時の止血にまったく問題はありません。
 止血処置は,ワルファリン服用例では,ゼラチンスポンジと縫合,圧迫止血を組み合わせて行います。抗血小板薬の場合は,縫合と圧迫止血のみです(表 3)。ほとんどの症例はこれで止血できますが,それでも止血しないときには止血シーネやパックを使用します。いずれにせよ局所止血処置だけで止血可能で,全身的止血処置が必要になった例はありません。抜歯後の出血の原因としては,INR値よりもむしろ,局所の炎症,抜歯時の器械操作による周囲組織の損傷,不適切な局所止血処置などが問題となります。



表4
森本 私たちも,日常的に抗血栓薬継続下で抜歯を行っています。国立循環器病センター歯科と共同で実施した観察研究の成績を紹介します。抗血栓療法中の270例において計306回の抜歯を行ったところ,後出血を来たしたのは11回,3.6%でした。ワルファリン単独群で4.4%,ワルファリン+抗血小板薬併用群では3.9%で,両群間に有意差はありません。抗血小板薬単独群では2.2%でした(表 4)。後出血例を解析した結果,INR値より抜歯部位の歯槽膿瘍や歯肉膿瘍などの活動性炎症が影響すると考えられました。
 この研究では,全例に酸化セルロース綿を入れて縫合し,ガーゼで圧迫する局所止血処置を施しています。処置中の止血困難例は滅多になく,出血例の大半が後出血例で,必要であれば電気メスによる凝固止血や止血シーネで対処しています。
 以上より,日本人のワルファリン服用例(INR:3.0未満),抗血小板薬服用例では,維持量を継続して抜歯を行っても止血はほぼ可能であることが分かりました。後出血には局所止血処置,INR値延長例ではその適正化で対応できると考えています。

歯周治療;縫合など適切な局所止血処置がより重要に
矢坂 森本先生は,歯周治療についても検討されているそうですね。

森本 歯周病は炎症巣ですので出血しやすく,しばしば止血に苦労します。抗血栓療法例での歯周治療のエビデンスは乏しいのですが,INR値は抜歯時より0.5〜1.0程度低めが妥当とされます。急性歯肉炎や歯周炎があると止血が難しいため,まず急性炎症を治療しなければなりません。また,抜歯に比べ創の形態が複雑なため単純にガーゼを咬んでも圧迫できない例が多く,工夫が必要です。出血部位が深い場合,酸化セルロース綿や止血シーネを使います。
 歯周治療についても,私たちは国立循環器病センター歯科と共同で観察研究を行っています。対象は抗血栓療法継続中の115例です。局所止血処置は,大半の例で酸化セルロース綿挿入やガーゼによる圧迫を,歯肉剥離掻爬手術では縫合を行いました。止血困難例では電気メスによる凝固止血や止血シーネを採用。その結果,ワルファリン服用患者ではプロービングや歯石除去など低侵襲処置はINR:3 未満で,ルートプレーニング,歯周ポケット掻爬,歯肉剥離掻爬手術などの歯周外科処置は,INR:2.5未満で施行可能でした。抗血小板薬単独服用患者では,すべての歯周治療を問題なく施行できました。ただ,歯周治療では処置中の止血が困難なケースが多いため,適切な局所止血処置がより重要になることを強調しておきたいと思います。

矢坂 適切な局所止血処置が重要とのことですが,そうした止血処置は一般の歯科医でも行えるのですか。

矢郷 テクニック自体は,歯科口腔外科の医師でしたら問題なくできます。これを一般の歯科医に広げていくには,まず口腔外科でガイドラインを作っておく必要がありますね。

森本 最近,ワルファリン継続下で抜歯する一般歯科医も徐々に増えています。しかし,なかには局所止血が十分になされていないため,後出血で来院される例があります。休薬の危険性だけが独り歩きし,抗血栓療法継続下の正しい歯科治療が浸透していないのが現状です。休薬の危険性と同時に,局所止血の重要性を訴えていくことが大切でしょう。

今後の方向性;医師と歯科医,共通のガイドライン作成が急務
矢坂 今後,抗血栓療法継続下での抜歯を広めていくためには,どんな取り組みが必要だとお考えですか。

矢郷 すでに循環器学会のガイドラインでは抗血栓療法継続の必要性が取り上げられていますが,やはり医師と歯科医の共通のガイドラインが必要です。抗血栓薬休薬による脳梗塞リスクの増大は医師から歯科医に伝えられたわけですが,歯科医から医師に対して「INR:3程度までなら局所止血処置により抜歯が可能」という情報を伝えていくことが求められています。現在,私たちはガイドライン作成へ向け,慶應義塾大学循環器内科(小川聡教授)にもご協力いただき「ワルファリン維持量の継続投与下における抜歯の安全性に関する多施設共同研究」を進めています。日本有病者歯科医療学会(白川正順理事長)でもガイドラインを作り,一般の歯科医に伝えようと取り組んでいます。

森本 やはり,医師と歯科医の連携が重要になってきます。抗血栓療法を受けている患者の場合,血栓症のリスク評価が知りたいですし,抗菌薬やNSAIDsの使い方などについても情報がもらえれば,円滑な連携が可能になると思います。

矢坂 私は2004年の日本循環器学会のガイドライン作成に関わりましたが,現在はその改訂作業が進行中です。そうした作業のなかで,歯科領域でのガイドライン作成の動きとの整合性にも配慮すべきですね。ガイドラインを普及させるには関連学会が共通認識を持つことが不可欠です。本座談会が,医師と歯科医師の連携により,抗血栓療法継続下の安全な抜歯と歯周手術を普及させる一助となることを期待したいと思います。
ラベル:抜歯
posted by 8020 at 08:48| 抜歯時の抗血栓薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月17日

国立大学医学部長会議常置委員会

 「今回の見直し案は、国民不在の案。厚生労働省と文部科学省の合同検討会、医道審議会の議論が何ら反映されていない」

 国立大学医学部長会議常置委員会は4月16日午後、都内で記者会見を開き、山形大学医学部長の嘉山孝正氏は、厚労省の卒後臨床研修の改正案を強く批判しました。

 厚労省案は、(1)研修プログラムにおける必修科目の減少(7科から、内科、救急医療、地域医療に限定)、(2)都道府県別に研修医の募集定員の上限を設定(人口比や過去の受け入れ実績などを基に計算)の2点が骨子。4月17日までパブリックコメントを求めています(パブコメはこちら)。2010年度からの改正を目指しています。

 常置委員会がパブコメに出す見解は、プライマリ・ケアを全員に課す現行制度を問題視し、医学生がキャリアパスを自身で決めることが前提であるとした上で、(1)獲得目標に基づいてカリキュラムを設定すべきであり、科を固定しないカリキュラムにするか、科を固定するなら外科をカリキュラムに加える、(2)都道府県別の上限設定は、研修医の強制配置につながるため再考すべき、(3)都道府県別の上限設定には過去3年間の採用実績などを用いるとしているが、問題のある制度下の実績を参考にすると、さらに問題を増幅させる、などと手厳しく批判しています。

 山口大学医学部長の前川剛志氏も、「臨床研修制度の必修化で、大学の医師、外科系志望者、研究者の減少を招いた。10年後の日本の医療がどうなるかを考えると、恐ろしい。今、この制度を改善しないと、今後の日本の医療は成り立たなくなる」と強い危機感を示しました。

 臨床研修の改正案に対しては、多数の団体から反論が出ています。大学関係では全国医学部長病院長会議が都道府県別の上限設定などの再考を促すパブコメを出したほか、臨床研修病院関連では、全国自治体病院協議会が改正自体を疑問視。学会関連では、日本産科婦人科学会が、産婦人科を必修科目から外すことなどを問題視しています。

 また地域単位では、先週4月10日の当コーナーでご紹介しましたが、愛知県医師会や名古屋大学など、愛知県内の医療関係の10団体は記者会見を開き、都道府県別の上限設定で、愛知県の研修医数は大幅削減になるため、地域医療の崩壊につながりかねないと問題視。同じく大幅減となる京都府でも、知事と府内26市町村長の連名で4月13日、要望書を厚労省に提出。一方で、鳥取、徳島、佐賀、宮城の4県の知事は4月7日、「過去の実績がない地方が切り捨てられる」と訴える要望書を厚労省に提出しています。

 さらに、まさに当事者である医学生も、反対署名活動を展開中です(「医師のキャリアパスを考える医学生の会」や「北海道医学生の会」など)。

 反対理由は異なるものの、最も問題があるとされているのが、都道府県別の募集定員の上限設定。また、大学関連は、研修医が経験できる症例数や指導医の確保など研修の質担保の観点から、臨床研修の管理型病院を550床以上とすることを求めていますが、一方で中小規模の病院が研修を担ってきた実績を踏まえ、この点を評価すべきという声も上がっています。

posted by 8020 at 13:35| 山口県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月16日

山口県医療情報

徳山中央病院:「かかりつけ医」を紹介、地域医院のパンフ作成 /山口県

待ち時間短縮や、医師負担軽減へ

 山口県周南市の高度・専門医療の拠点病院(2次医療機関)となっている社会保険徳山中央病院(周南市孝田町)は、軽度の一般患者を「かかりつけ医」となる地域の医院(1次医療機関)で受け入れてもらえるよう、「地域医療連携協力医院」の紹介を始めた。登録した医院のパンフレットを作って病院内で配布するなどしており、外来患者の待ち時間短縮や医師の負担軽減につなげたい考えだ。

 徳山中央病院(山口県)では、症状の軽い患者の外来が依然として多く、外来診療の待ち時間は通常でも1時間以上、3時間に及ぶことも少なくないという。現状を放置すれば食事や仮眠時間が取れないなど勤務医の負担が重くなり、本来担うべき高度・専門医療に悪影響が出かねないため、地域の1次医療機関との役割分担を徹底させるよう対策を進めている。
地域医療連携協力医院の登録は08年8月にスタート。4月15日現在、3市全体の約7割にあたる154医院が登録している。同病院はうち84医院について院長の顔写真や診療内容、地図などが入った紹介パンフレットを作成。3月末から西館1階の専用コーナーで無料配布を始めた。病院のホームページでも検索機能を付けて探せるようにしている。
徳山中央病院(山口県)は「地域の医院と役割分担することで患者の話をじっくり聞き、余裕のある診療ができるようになる」とし、適切な受診を呼びかけている。【山口県版】
ラベル:山口県,医療
posted by 8020 at 21:02| 山口県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月14日

乳歯

乳歯ケア効果的に
 子どもの乳歯はケアを怠ると永久歯の形成にも悪い影響を与える。しっかりケアしたいところだが、忙しいとついつい怠りがち。子どもの健康な歯を守るため、親子で身につけたい習慣について調べた。【中西拓司】

 ◇毎食後→寝る前しっかり--歯磨き/まず硬いもの→成長に応じて--歯並び

 鶴見大歯学部付属病院(横浜市鶴見区)には小児歯科の診療科があり、定期検診などのため1日約60人が訪れる。井出正道・小児歯科医局長は「小児歯科は予防が重要。昔に比べると、乳歯の大切さが理解されてきた」と話す。ただ、子どもの歯に関しては依然誤解も多い。

 歯並びをそろえるには硬いものを与えればいい--と親は考えがち。しかし、日本小児歯科学会の朝田芳信理事長は「乳幼児は発達の個人差が激しい。成長速度に合わせて食べ物を選ぶことが大事だ」と話す。与えた食べ物が子どもに合っているかどうかは、口から出さずによくかんでいるかが判断の目安になるという。朝田理事長は「硬いものだけでなく、偏食をなくし、栄養バランスのある食事を与えることも歯づくりの基礎」と指摘する。

 「毎食後、歯磨きをさせた方がいい」という保護者も多いが「重要なのは回数ではない」のだそうだ。一日で一番重要なのは寝る前の歯磨き。就寝中は唾液(だえき)の分泌が減り、虫歯を引き起こす菌の繁殖が増えるためだ。朝田理事長は「歯磨きの習慣を長続きさせることが大切。多過ぎると子どもが嫌になる。7歳ぐらいまでは親が仕上げ磨きしてあげてほしい」と語る。

 成長に合わせて歯磨きのポイントを変えることも頭に入れておきたい。3歳ぐらいまでは歯と歯の間隔が空いているため、主に歯の表面に虫歯ができやすい。5歳前後になると歯の間隔が狭まるため、大人と同様、歯と歯の境目のブラッシングも重要になってくる。

 転んだ際などにできる歯への外傷にも気を付けたい。虫歯がなくても、外傷によって歯が腐り、抜歯しなければならなくなることもある。「生え変わる永久歯の準備が整わないうちに事故や虫歯で乳歯が欠けると、歯並びに影響する。腐って変色している歯がないかも普段からチェックしてほしい」という。

 ◇歯並びのトラブル4割前後

 厚生労働省の歯科疾患実態調査(05年)によると、5歳以上15歳未満で虫歯のある子どもの割合は年々低下している。例えば、8歳の場合、1987年調査では97.6%の子どもに虫歯があったが、05年調査では61.7%へと減少した。ただ、「かみ合わせ」の問題は依然多い。八重歯などで歯並びがでこぼこになっている子どもは12歳以上15歳以下で34.5%、16歳以上20歳以下では46.7%に及び、半数近くが歯並びのトラブルを抱えている。

………………………………………………………………………………………………………

 ◇子どもの歯を守る5カ条

1条 子どもの口の中に関心を持とう

2条 全体を使って、よくかもう

3条 虫歯は作らない、作らせない

4条 子の成長に合った食事を

5条 歯の外傷に注意する
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2009年04月04日

口腔癌

口腔がん 早期ならほぼ機能維持可能。発見のポイントは。



 ◆口腔がん 早期ならほぼ機能維持可能。発見のポイントは。

 ◇月1回、鏡でチェック--歯肉、口内の天井、のどの奥、舌…

 ◇長引く口内炎、しこり、斑点、出血…専門医受診を

 東京都世田谷区の無職、相原幹夫さん(66)は4年前から舌がひりひりするのを感じた。総合病院での診断結果は「口内炎で経過観察」。しかし、舌がんを心配し、耳鼻科や歯科の通院を繰り返した。だが「進行して切除が必要になったら来てください」とあしらわれた。症状は緩和せず今年2月、大学病院の口腔(こうくう)外科を受診。粘膜の変化が何年も続く前がん病変「白板(はくばん)症」で、放置すれば舌がんになるところだった。抗がん剤を飲み始め、今月下旬には、病変部を摘出する手術を受けた。

 相原さんは「4年間、適切な処置をしてもらえなかった。同じような目に遭う人がいるのではないか。医師は正しく診断できるようになってほしい」と訴える。

    *

 舌がんは毎年約3200人が発症していると推定されている。がん患者の1〜2%を占める口腔がんの一種だ。口腔がんには、他にも▽舌と歯ぐきの間にできるがん(口腔底がん)▽歯ぐきのがん(歯肉がん)▽ほおの内側の粘膜にできるがん(頬(きょう)粘膜がん)▽口の天井の部分にできるがん(硬口蓋(こうこうがい)がん)--などがあり、合計で毎年約8000人が発症している。半数が亡くなり、最近10年間で患者数が倍増した。

 早期発見すれば、食べることなどの機能をほとんど失うことはないが、約7割が進行がんとして発見されている。歯肉では6%、頬粘膜で8%、最も発見しやすい舌でも23%しか早期発見されないのが現状だ。その背景には歯科や耳鼻科など専門が細分化し、がんの前段階の症状を見落とすケースが多いためと言われている。

 昭和大病院(東京都大田区)の新谷(しんたに)悟教授(口腔外科)によると、口腔がんは早期であれば90%以上治すことができる。昭和のスーパースター、石原裕次郎さんも44歳の時に舌がんを除去した後も俳優、歌手として活躍した。

 新谷教授は「口は話す、食べる、飲むなど生活する上で大切な役割を果たしている。早期発見すれば、これらの働きもほとんど障害を受けない。早期と進行後では天と地ほどの開きがある」と話す。

    *

 口の中は見ることができ、感覚も鋭敏だ。自分で前がん病変やがんを見つけることもできる。

 まず、口内炎のような症状が長引けば要注意だ。通常の口内炎なら塗り薬や殺菌治療で数日から2週間程度で治るからだ。また、口内炎と外見上に違いが見られる場合もある。口の中に、▽しこりや腫れがある▽痛みがある▽赤い斑点(紅板症)や白い斑点(白板症)がある▽場所が分からないが出血がある▽歯のぐらつきが3週間以上続く--などの症状があれば注意する必要がある。

 専門家は、月1回程度の定期的なセルフチェックを勧めている。鏡とライトを用意し、手をよく洗い、うがいした上で行う。

 歯肉や口の中の天井部分や、「あー」と声を出しながらのどの奥、舌を指でつまみだして横や裏を確認する。首や下あごにこぶ状のものがないかも触って確認する。

 新谷教授は「医師は口内炎でも治るまで診る必要があるが、放置されているのが現状だ。患者側も自己チェックをしたり、専門医を受診したりして、早期に口腔がんを発見するよう工夫してほしい」と呼びかけている。【
ラベル:がん
posted by 8020 at 12:14| 歯科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヨーグルト

日本人研究者らが開発したこのヨーグルトは胃炎や胃潰瘍を引き起こす細菌と戦うと同研究者らは述べている。研究者らは臨床試験による同知見を米国化学会(American Chemical Society)の全国大会(National Meeting)(ソルトレークシティ)で発表している。

生細菌を含む発酵乳製品であるヨーグルトはカルシウム、蛋白質などの栄養素が豊富に含まれる健康食品であることは既に認知されている。

「この新しいヨーグルトによって、人々は今や胃潰瘍を引き起こす細菌を予防または除去しながらヨーグルトの味覚を楽しむことができる」と研究コーディネーターである京都女子大学の化学者八田一氏は発表資料(written statement)で述べている。

多くの潰瘍はヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌またはアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬の過剰使用によって引き起こされる。ヘリコバクター・ピロリによる潰瘍は抗生物質や制酸薬によって治療することができる。研究者らは、彼らのヨーグルトはもうひとつの選択肢になりうると考えている。

ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼという酵素を用いて、胃の内側に付着し、感染を引き起こす。この最新のヨーグルトは胃潰瘍と戦うようにデザインされており、IgY-ウレアーゼという抗体を含んでいる。このヨーグルトは日本ではドクターPiro、韓国ではGutという名前で市販されている。研究者らは彼らの臨床試験が米国での承認に道を開くことを期待している。

同研究者らは、ウレアーゼに対する抗体の摂取がヘリコバクター・ピロリによる感染の抑制に有効かどうかを検討した。

この試験では、ヘリコバクター・ピロリの検査が陽性であった42例を登録した。被験者の一部は4週間にわたり抗体を含む同ヨーグルトを1日3回摂取した。また、一部の被験者は抗体を含まない通常のヨーグルトを同量摂取した。その結果、ヘリコバクター・ピロリの活性は抗体ヨーグルト摂取群において有意に低下した。
posted by 8020 at 12:11| 医療全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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